情報処理技術者試験合格日記 2004年12月17日の問題を解く

宿題メール一日一題 高度をめざす情報処理技術者試験宿題』より

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★★★★★★[宿題:テクニカル(データベース)向け]

 コンピュータシステムの高信頼化技術に関する記述として,適切なものはどれ
か。

 ア フェールセーフは,構成部品の信頼性を高めて,故障が起きないようにす
  る技術のことである。

 イ フェールソフトは,ソフトウェアに起因するシステムフォールトに対処す
  るための技術である。

 ウ フォールトアボイダンスは,構成部品に故障が発生しても運用を継続でき
  るようにする技術である。

 エ フォールトトレランスは,システムを構成する重要部品を多重化して故障
  に備える技術である。

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答え ○(エ)

ア:フェイルセーフ 【fail safe】

読み方 : フェイルセーフ

 故障や操作ミス、設計上の不具合などの障害が発生することをあらかじめ想定し、起きた際の被害を最小限にとどめるような工夫をしておくという設計思想。

 例としては、石油ストーブが転倒すると自動的に消火するよう設計されていることや、加圧水型原子炉の制御棒の電源が切れると制御棒が自身の重さで炉内に落下して自動的に炉を停止させるよう設計してあることなどが挙げられる。

イ:フェイルソフト 【fail soft】

読み方 : フェイルソフト

 システムの一部に障害が発生した際に、故障した個所を破棄、切り離すなどして障害の影響が他所に及ぼされるのを防ぎ、最低限のシステムの稼動を続けるための技術。

 ハードディスクを複数個備え、内容を常にミラーリングしているRAIDシステムや、電源やネットワークカードのコントローラを複数個備えているリダンダント電源やリダンダントネットワークカードなどでは、運用中に一ヶ所に障害が生じても、残された系統で運用を続けることができ、直ちにシステムが停止しないようになっている。

 このように、システムの要所に複数系統を用意した冗長化を行ない、さらに故障の自動的な検知、故障に対する対処の自動化を盛り込んだシステムをフェールソフトと呼ぶ。

ウ:フォールトアボイダンス 【fault avoidance】

高品質なものを投入するなど、障害を起こさないように管理する技術。
(故障そのものをさせないようにする)
avoidance: 回避、避けること、忌避

エ:フォールトトレランス 【fault tolerance】

読み方 : フォールトトレランス

 システムに障害が発生したときに、正常な動作を保ち続ける能力。言い換えれば、障害発生時の被害を最小限度に抑える能力のことである。「耐障害性」「故障許容力」などと訳される。アベイラビリティと共に使われることも多い言葉だが、「どれだけ障害が発生しにくいか」ではなく「故障が起こった際にどれだけ耐えられるか」という意味が強い。

 有名な例として、ジャンボジェット機のいくつかのエンジンが故障しても、一つ動いていれば飛び続けられるように設計されていることが挙げられる。コンピュータシステムで言えば、電源を多重化したり、定期的にデータのバックアップを取ること、電源に無停電電源装置を用いることなどがフォールトトレランスにあたる。